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From the Source #06 高知県 月海製塩 

高知県黒潮町。美しい海と山に囲まれる自然豊かなちいさな町は、季節ごと、時間のうつろいによってさまざな表情をみせてくれます。高知空港から2時間くらい。アクセスは決していいとは言えません。

だからこそ守られている自然の営みと、豊かな恵みをいただきながら育くんできた文化があります。

そして、その文化をさらに昇華させている素晴らしい作り手がいる町。パドゥドゥにとってはイノタネアグリさんの“入野砂糖”、月海製塩さんの“新月の塩”でお世話になっていることもあり、思い入れが非常に強い場所でもあります。

今年の春先。月海製塩の中谷さんとお話しする中で、「春の海には、“春にごり”と呼ばれる現象があるんだよ、塩作りには季節がある」という心踊るお話しを受けて、中谷さんのお塩作りを教えていただく小さな旅へ行ってきました。

今回は2回にわたって、お伝えします。第一弾は、“塩になる前”のお話。


塩作りには、季節がある

黒潮町に入ると、目の前に広がる入野海岸。その美しい海のそばに、私たちがお菓子に使わせていただいている“月海製塩”の製塩所があります。

美しく整頓された製塩所は、作り手である中谷さんの丁寧なお人柄と、ものづくりへの深い意思を感じる考え抜かれた場所。光や風が静かに通り抜けるその場所は、屋外なのに静謐な印象、まるで自然の一部のような佇まいでした。

雨が多く湿度の高い日本では難しいとされる天日塩づくり。多くの日本の塩は、釜炊きが多い中で、月海製塩では、太陽と風の力だけを使い、数ヶ月かけて塩を結晶化する“完全天日塩”を作っています。

塩作りは、自然からの恵みの賜物。良い海水と気象条件がそろうこと、こだわりを持った職人がいることが重なることで生まれるため、完全天日塩は日本でもごくわずかな作り手しか行っていない希少な塩作りなのです。

中谷さんは、ご自身で塩作りを始める際に、理想の塩を求めて各地の海をめぐったそうです。どこか決め手に欠けると感じる中、出会ったのが黒潮町の海、海水でした。そこから中谷さんは船舶の免許を取り、沖に出て海水を汲んできます。一般的な天日塩作りは海辺から海水をポンプで運ぶことが多く、中谷さんのやり方はかなり特殊。こだわるのは、塩になる前の海水から。

なぜ、黒潮町の海水はおいしいのか?その秘密を紐解きに、中谷さんは私たちを森に連れて行ってくださいました。


森からはじまる

四国山地・黒潮町周辺の山を目指した私たち。豊かな山々からは、美しい水が溢れます。四国には、日本でも有数の河川、四万十川や仁淀川があり、小さな川もたくさん流れています。それらは、山から里へ、私たちの住む街を通って海へ流れ込みます。

春。新緑の森では、新しく生まれた葉っぱたちが川に流れ、川の中では新しく生まれた藻が揺れ、海の中では、ちいさな海藻たちが生まれています。少しずつ、下流にながれるごとに細かくなり、それらの色素が海を緑に映すのか。両手で海水をすくうと無色透明なのに、海面を見つめると、緑色ににごった“春にごり”のような現象になります。

季節ごとに森の栄養が、海へと運ばれ、さらに黒潮が流れ込み、豊かな海の環境が育まれていきます。
入野海岸周辺には、くじらやイルカ、うみがめをはじめとしたさまざまな海の生きものが息づき、その豊かな自然環境は地元のみなさんの手によって大切に守られています。

月海製塩では、その恵み豊かな海水を、できる限り純粋な状態で採取。山から海へと運ばれた栄養、黒潮の流れ、そしてこの土地の気候。季節を取り込んだ海水なのです。

美しい四国の山から、土佐湾へ流れ込む

川の流れは砂浜を削る力強さ

この季節の風と海が作り出す、入野海岸の砂浜の景色


森から、海へ

春に、お邪魔させていただき、現在は夏真っ盛り。現在の様子を中谷さんから伺いました。

初夏から夏にかけての黒潮町の海は、春の濁りもなくなりとても澄み、濃い藍色で透明。10m先までまっすぐに見えるそう。
潮はうねりを伴うようになって、海全体は活性化し、まるで大きな生き物のようにダイナミックな動きに。

「沖から吹く潮風はしょっぱくて・・・これもまた美味しいですね。
夏の海水は塩分濃度が冬より高くなり、黒潮らしい“力強さ”を感じます。どの時期もそれぞれにおいしいけれど、この時期の海水は特別に美味しい。」
中谷さんは嬉しそうにお話されていました。

さて、第2弾は、月海製塩さんのお塩作りについて。

月海製塩さんのお塩作りは、“月海製塩”の屋号にも入っている“月”との大きな関係があります。

ぜひお楽しみに。

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