【素材のこと】パドゥドゥで使っている柑橘の話

パドゥドゥの柑橘は愛媛県宇和島にて、自然の循環の営みを尊重し、無農薬・無化学肥料で栽培するcitron et citronさんから採れたての柑橘を届けていただいています。

香りが豊かで味わい濃厚。同じシーズンの同じ柑橘でもグラデーションを感じられる柑橘です。

通常の農作物は、市場に出すためには様々なハードルがあります。

柑橘（みかんとかレモンとかイヨカンとか）に関して言えば

・表面の皮がつるつるしてて黒い斑点がなくてきれい
・ヘタがついている
・形とかサイズがそろってる
・甘いのが人気

など。

肥料を変えたり、ときには薬品を使ったり、私たち消費者が求めるもののために農家さんたちは工夫をしています。 

 ただその中でもcitronさんのように、化学肥料や有機肥料を使わず、農薬も使わずに柑橘を作り続けている農家さんたちもいます。

自然の循環の中で行うことは手間暇がかかり、収量は安定しない。同じ年の中でも畑が違えば味が変わってくる。

そんな柑橘たちは、味が安定しないですし、サイズもバラバラ。種もたくさん入っているので、お菓子にするまでにも手間暇をかけます。
でも、素材自体の力強さや季節ごとの味わい、文字通りまるごと使っても安心であること。

"果物"としての豊さが私たちにとっては楽しくてワクワクします。

オーガニックだから自然栽培だからというのが一番にくるのではなく、私たちはcitronさんたちの“自然の循環の営みを尊重する”という物づくりに共感し、一緒に美味しいもの作りたい！という気持ちで使わせていただいています。

また、citron et citronの来島由美さんは土中環境という観点から柑橘の木の単体としてだけではなく柑橘の山全体を見ています。

citronさんの柑橘が採れる宇和島は、山と海に囲まれた島で戦時中の食糧難という歴史もあってものすごい斜面に柑橘の木や畑があります。
現在では、柑橘の農家さんの担い手が少なくなっていて耕作放棄地が増えています。 

瑞々しく、多様性に溢れた生き物が住まう、人と自然が共存できる里山の美しい風景が残るように。citronさんの柑橘の魅力をどんどんお菓子に乗せて届けていって、宇和島の、そして日本の柑橘のファンが増えたらいいなあ、と思っています。